NOTES

ケニア、3日目。「マイシャマレフ」

「ケニア」といえば、大草原にゾウやキリンがいる。

ついつい日本人はそんなイメージをもっているけれど、実はそんなことはない。

けれども、ついつい、「アフリカ感」をほしがってしまう自分がいるのです。いかにもアフリカ人らしい人たちの、アフリカっぽい光景を写真に収めたくなってしまう。ぼくらの泊まっていたホテルや、近くのスーパーマーケットには、なんら日本と変わらない光景があるのにもかかわらず、「おれはケニアにいるんだぞ」がほしいのでしょうね。

さて、ケニアに滞在していて気づくのが、「怒っている人が、ほとんどいない」。

もちろん日本で暮らしていたって、そこまで怒っている人は見かけないけれど、街中でイライラしている人とか、電車内で怒っている人とか、いるじゃないですか、とくに東京だと。そういう人が、ほとんどいないんですよね。

それで訊いてみたんです。現地に永く住んでいる日本人の女性に。

「ケニアの人たちは、みんな、『未来はもっとよくなる』って信じている人たちなんだよね。あと穏やかな気候のせいか、温厚な人たちが多い。日本とちがって四季の変化がないのも、その日暮らしの性格と関係しているかもね」

なるほど、おもしろい。あと、その人が教えてくれたいいことばがあって、

「マイシャマレフ!」


これは、いわゆる「乾杯!」のことなのですが、直訳すると「ロングライフ」、末長く元気で生きましょうや、という意味。もしかしたら体にわるいかもしれないお酒を飲むのに、「ロングラーイフ!」と言ってグラスを掲げる。未来はもっとよくなる、だもんなぁ。

この日は、ケニアの日本人学校にお邪魔しました。授業を1時間お借りして、ラグビー教室をやりました。ラグビー大好きな校長と熱心な先生のおかげで、いい思い出ができました。あの日出会った子たちの人生の1ページに、「ケニアにいたとき、ラグビーを教えに来てくれた日本人がいたっけな」と刻まれていたらうれしいな。いつかどこかで「え、あのとき、いたの!」なんて会話ができたら、もっとうれしい。

と、いうわけで、「マイシャマレーフ!」

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(たしかに、よしたに。)