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主観思考

(2023)

2023年12月20日に初著書である『主観思考 思ったこと言ってなにがわるい』(光文社)が発売されます。

この世には、偉大な人物や尊敬する人たちが書いた素晴らしい本が、数え切れないほどあります。

だから、まさか「自分が本を書く」となって、何度も考えました。自分が伝えたいこと、伝えられること、読んだ人によころんでもらえることはなんだろう? と。迷いながら、1年半近くもかかったけれど、泥だらけになりながら、なんとか(出版社にご迷惑をおかけしながら‥‥)書き上げられました。

本を書く上で気をつけたのは、「嘘は書かないこと」と「わからないことは書かないこと」のふたつ。それだけ守っていれば、たとえん売れても売れなくても、全力は尽くせたし後悔はない、と言えるでしょうから。

初めて自分で本を書いて変わったのが、本屋で手に取った少しでも「いいな」と思った本を、「買う」ようになったこと。本ってものは、著者が人生を費やして考えて書いたことを、ロンハーマンカフェの健康的なドリンク一杯分くらいの値段で買えてしまう。自分が書くのに苦労した分、なんて「コスパ」がいいんだと改めて感じました。

さて、この本は、タイトルは「◯◯思考」だなんてよくあるビジネス書みたいだし、「思ったこと言ってなにがわるい」だなんて物騒だし、真っ赤な表紙カバーもうるさいし、儲かる投資のことも、絶対にうまくいくハウツーも書いてないし、ベストセラーにあるわかりやすい図式も「ハーバード式」も一切ナシ。ただ、「言葉」があるのみです。

じゃあ、どんな本なんだい? と言いますと、『主観』を大切にすることで、より自分らしく生きられるし、コミュニケーションの質が上がる。そして、その「主観」というものは、だれもが持っているよ、というのが大きなメッセージなのではと思います。

ぼくは高校1年で留年しているし、大学では部活も学業でも下から数えるくらいの成績だったし、就活では誰も知らない小さな会社にしか行けなかった。そんな落ちこぼれの(と自分で思っている)自分が、「書く」を通じて、なんとか社会とつながることができました。だからこそ、思う、考える、書く、の「ちょっといいこと」を伝えられたらと思っています。

社会人や、家事育児をする人たち、それから学生にも読んでもらえたら、とてもうれしいです。読んでくれた人が「じぶんのことば」を見つけて、人に伝わるよろこびを感じてくれたら。日々の生活のなかで「自分はどう思ってるのかな?」と立ち止まって考えるようになってくれたら。生きるのにすこしでも役に立てていただけたら。その人に前向きなパワーを与えることができたのなら、これほどうれしいことはありません。

2人の編集者、装丁・デザインチーム、印刷会社、製本会社、一冊の本には多くの人間の情熱が詰まっています。その人たちと、この本の編集者である千美朝さん、彼女とぼくを出会わせてくれた、廣瀬俊朗さんに大なる感謝を。

『主観思考  思ったこと言ってなにがわるい』(光文社)

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装幀:小口翔平+青山風音(tobufune
組版:萩原印刷
印刷所:萩原印刷
製本所:ナショナル製本
編集者:千美朝/須田奈津妃