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東京2025世界陸上

「東京2025世界陸上」の大会キャッチコピーを担当しました。

ご依頼を受けたとき、正直これまで「世界陸上」を生観戦したことがなく、織田裕二さんの「タメェ〜」の印象しかない自分に書けるかどうか考えてしまいました。ましてや34年ぶりの東京開催、時代も変わっていてどんな大会になるのか、観る人にとっての魅力や「うれしさ」はなんなのか、しばらく考えていました。

そこで、YouTubeで過去の世界陸上の映像をできる限り観ました。2007年の大阪開催のときに現地に行かれた方のブログなども読み漁り、会場で歴史的瞬間を目の当たりにした人の気持ちを想像しました。

あるとき、とある過去の世界陸上の動画に出合い、それを観ていたら涙が込み上げてきたのです。たしか棒高跳びの選手が、これから跳ぶという直前に自ら手拍子をして観客たちを煽り、会場の雰囲気は異様な盛り上がり、そのあと、世界新記録(たぶん)が生まれたシーン。それを観て、「陸上って、1秒後に世界(記録、景色)が変わるんだな」と感じました。

実際は「0.01秒」を争う世界なので、「1秒」じゃ長すぎるかな、とも思いましたが、陸上競技の映像を観ていると感覚的には「1秒」も一瞬だったことや、アナウンサーや実況の方が声に出すときに「レイテン(0.)」は邪魔かもしれないと思ったこともあり、「1秒」にしました。

「東京2025世界陸上」は聖地・国立競技場にて、9月13日から9日間。ぜひ、世界が変わる1秒を観に行ってみてください。

<画像:TBS/東京2025世界陸上財団>

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